一発屋怪談

これは私が高校生の頃の話です。

特に仲のいい友達がいたんですが、そいつを仮に木村としておきます。

私たちは夜、学校に忍び込んで遊ぶことにしたんです。10代のラララライ盛りのやんちゃな時期ですから、怖い物なんてレボ・リューション!でした。

古い学校で足元もだいぶ痛んでいますから、「ヒロシです…ヒロシです…」と歩くたび軋むんです。

なんだか嫌だなー、ここなんかいるなー、って思ってたら突然、

「フォーーーーーーーーーー!」

と電話が鳴ったんです。着信は友達からだったんですが、焦ってましたから、話の内容は右から左へと受け流しました。

私たちはさらに廊下を歩いていると、後ろから不気味な声がするんです。不気味な、声が、バックから…BKB…耳をすますと、「そんなの、関係、ねえ・・・」と聞こえてきます。

震えながら振り返ると、そこにはたくさんのピィーヤが!私たちは全力で逃げましたが足がチャッチャチャースしてうまく走れません。グーググーググー、コォー!と呼吸が荒くなります。

息も絶え絶えでピィヤから逃げ切った私たちは、自動販売機でジュースを買うことにしました。

お金を入れてボタンを入れてジュースを取ると自販機から「ととのいました!」と当たりの音が流れました。ラッキー、と思ってまた取り出し口に手を入れると、突然手をガッ!とお疲れちゃんされました。

私たちはビックリしてしまって、木村は「なんだか行けそうな気がするー!」と叫んで走り出しました。「そっちはダメだ!」という私の忠告も虚しく、彼は暗闇の中に、ゲッツしていったんです。

その後、彼の姿を見たものは誰もいなかったそうです。

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